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休眠担保になるのか…?!大正に設定された抵当権抹消

結論から言うと、この件は、休眠担保にはなりません(義務者である東郷村信用販売購買組合の登記簿は閉鎖されたのみで、「行方不明」に当たらないから)。したがって、組合の清算人を裁判所へ選任してもらい、その清算人と所有者の共同申請で抵当権を抹消する流れになります。 以下、詳細を説明します。

1.登記所へ相談

登記所に登記の方針について相談しました。

相談内容をおおまかに記載すると、当組合は、昭和3年に清算結了の登記がされており、清算人は全員死亡していると考えられる。だから、裁判所へ当組合の清算人を選任してもらい、その者と不動産所有者の共同申請、という方法で抹消できるか、という内容です。

→登記所からは、この方法での登記申請は可能、との回答をいただけました。

次に問題となるのは、「全員死亡」の証明と、裁判所から選任に応じてもらえるのか、という点です。

2.裁判所へ相談

裁判所へ、下記のような流れで進めれば、選任を検討してもらえるか、問合せをしました。

①清算人は誰か

当組合は、そもそも清算人の選任がされていない。そうすると、当時の産業組合法によれば、理事が清算人になる。

②理事(清算人)の死亡の証明

理事が全員死亡しているか否かについて、登記簿上の理事全員の住所地へ、住民票を請求する。取得できなかった場合、不在住証明を発行してもらう。これをもって、死亡とみなす。

③裁判所による清算人選任

全員の死亡が証明できたら、裁判所へ当組合の清算人の選任を申し立てる。

→①~③の手続きでよいとの回答を管轄裁判所から得られました。ちなみに、管轄裁判所は、対象不動産の住所地を管轄する地方裁判所です。

3.おわりに

実はこの案件は、途中で相続も入ってしまい、まだ完了していませんが…

登記所と裁判所からOKの回答が得られたので、各所へ相談した筋道どおりに進めていけば登記完了までこぎつけるかと思い、一安心です。

明治や大正に設定された抵当権抹消案件は、かなり手間がかかること間違いなしですね…。抹消を放置しておくことの恐ろしさを思い知りました。

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