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商業登記担当のメモ帳「官報公告」

会社の組織再編をする場合によく登場する言葉の中に「公告」があります。これは、組織再編や資本金の額の減少などの債権者異議手続が必要な場合に必ず行わなければならないものです。いったいどんなものか、実務上での注意などをお伝えしたいと思います。(文責:竹下)

目次

  1. 公告とは?
  2. 公告の種類
  3. 官報公告に掲載すべき情報
  4. とにかくスケジュールが大事
  5. まとめ

 「公告」とは、会社の重要な情報を取引先や株主、債権者など、利害関係者に知らせる手続きのことです。会社法では、一定の場合に公告が必要とされています(例:資本金の減少、合併、解散、決算公告など)。その方法として代表的なのが「官報公告」です。

公告の目的は、取引先や株主、債権者など、利害関係者に対し、会社の重要な決定事項を開示することです。これにより、利害関係者が自らの権利を行使する機会を確保できるようになっています。

 公告にはいくつかの方法があり、会社は定款でその方法を定めます。主な公告の方法は次のようなものがあります。

・官報公告

 国が発行する「官報」に掲載する方法。最も一般的で法的にも認められています。

・日刊新聞紙への掲載 

 広く周知が可能な全国紙等に公告を出す方法。

・電子公告

 自社のウェブサイトに掲載する方法。あらかじめ電子公告の可否を登記し、システムも整える必要があります。

 ただし、資本金の減少や合併など、会社法上「官報による公告」が義務付けられている手続きもあります。その場合、定款で別の方法を定めていても官報公告が必須となります。

 目的となる手続きによって掲載すべき内容は異なりますが、今回は主な例を紹介します。

解散広告(会社法499条、660条)

 解散する旨

 債権を有するものは申し出る旨

 申出期間(この期間は2か月を下回ることができない)

 期間内に申し出ない場合は清算から除斥される旨      など

・合併広告(債権者異議手続)(会社法789条、799条など)

 吸収合併等をする旨(合併の内容)

 合併をする会社の商号及び住所

 合併をする会社の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの(貸借対照表事項)

 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨    など

・決算公告(会社法440条)

 貸借対照表の要旨(公告方法や会社の状況によって掲載すべき内容は変わります)

 これらの公告は法律で定められた義務であり、手続きを完了させるには所定の期限内に公告を行う必要があります。特に合併などの場合は合併の効力発生日までに有効な公告を期間内に公告をすることができなければ合併自体の効力が発生しません。

 そのためスケジュール管理が非常に重要になります。合併や資本金の額の減少を行う場合には、効力発生日から逆算してスケジュールを組む必要があります

 

 以上のように公告は法定の内容を掲載することと、スケジュールの管理が極めて重要です。弊社では公告の掲載手配ももちろん承っているので、各手続に伴うスケジュール管理もサポートいたします。

 組織再編など各手続きの際にはぜひ弊社までご相談ください。

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