地面師リスクのある不動産
実体験から学ぶ、不動産取引のリスク管理と注意点
司法書士として日々さまざまな不動産取引に携わる中で、特に慎重な対応が求められる事案も少なくありません。先日、名古屋市内で広大な土地に関する案件を担当しました。この案件では、不動産の登記情報や取引において、いくつかの注意すべきポイントが見つかりましたので、その体験を共有させていただきます。
高齢者の所有する不動産には慎重な確認が必要
この案件では、登記名義人がご高齢で、相続登記が行われてから長い時間が経過している土地が対象でした。こうした不動産は、所有者が長年変わっていないことや、金融機関による抵当権が設定されていないため、不正取引のリスクが高まることがあります。
当初、関係者からは「ご高齢で遠方に住んでおられるため、電話での確認のみで進めてほしい」というご依頼がありましたが、私は慎重を期し、直接面談をお願いすることにしました。不動産取引では、所有者ご本人と直接お会いして意思確認を行うことが、不正リスクを回避するために極めて重要だからです。
面談に向けた事前準備の大切さ
面談に際しては、事前の準備を徹底しました。取引対象となる不動産について、現地の状況や過去の登記簿謄本、閉鎖登記簿謄本を確認し、物件の歴史や現在の利用状況について詳細に把握しました。これにより、面談時に必要な質問を整理し、効率的かつ的確に話を進めることができました。
最近、地面師に関するドラマが注目を集めていますが、その中で印象的なセリフ「もうええでしょう」を面談中に言われてしまうのではと少し心配しました。しかし、実際には和やかな雰囲気の中で面談を終えることができ、安心して取引を進められました。
事例から学ぶリスク管理の重要性
この事例では、長期間にわたって所有者の情報が更新されていない土地が対象となっていたため、詐欺やトラブルが発生するリスクがありました。しかし、適切な事前準備と直接の面談を通じて、安心して取引を進めることができました。不動産取引では、リスクを見極め、慎重に進めることが非常に大切であると改めて実感しました。
今回の事例から、不動産取引におけるリスク管理の重要性をお伝えしました。当事務所では、すべてのお客様に安心して取引を行っていただけるよう、丁寧かつ慎重な対応を心掛けております。不動産に関するご相談がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。